萌尽狼グ

同人音楽サークルkaguyadepth代表、萌尽狼(もえつきろ)の個人ブログ

WEBラジオ番組『まいまいのkaguyadepth探偵団』の粳麻唯って誰?

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VRoidStudio版「粳麻唯」(NABY「【β版】Vワールド(0.22)」で撮影)

一次創作メインでたまに二次創作で活動している同人音楽サークルkaguyadepthの情報を不定期に発信していくWEBラジオ番組『まいまいのkaguyadepth探偵団』。


www.youtube.com

シーズン2のテーマは「kaguyadepthってなんだろう?」。第5回を昨日(2023年1月28日)昼から配信開始したが、これは私と粳麻唯の活動としては3期目になる。

1期目は粳麻唯そしてEDIA LABELが誕生した1996年秋頃からの「ウルチメディア」、2期目はキャラクター追加やネット声優オーディションを実施した2000年頃からの「アルティメディア」だ。

第5回の編集後記として、粳麻唯とともに歩んだ半生を振り返る。

1期目「ウルチメディア」

粳麻唯(EDIA LABEL『ルーズな彼』より)

昔「MOTHER、Mを取ったらOTHER、他人です」という家庭教師のトライのテレビCMがあり、マルチメディア(MULTIMEDIA)からMを取ってウルチメディア(ULTIMEDIA)、メディア(MEDIA)からMを取ってエディア(EDIA)という言葉を造った。先にうるち米をもじった粳麻唯というオリジナルキャラクターができて、それからEDIA LABELとウルチメディアが動き始めた。

ファミ通で物議を醸した年数回のエロゲー特集をトレスして独りで興奮しているような少年が、『銀河お嬢様伝説ユナ』に興味を持ち(中学入学時にPCエンジンSGを買ったがまだスーパーCD-ROM2は持っていなかった)明貴美加の『超音速のMS少女』(機動戦士ガンダムZZメカデザイナーが擬人化した画集)に夢中になったことから、このような顔立ち、髪型・色のオリジナルキャラクター粳麻唯が理想像となった。

1期目の粳麻唯は文化放送ツインビーPARADISE』(1993年10月10日放送開始)のデザート中学に通う、ライト、パステル、マドカたちと同い年で、パステルにあこがれてアイドルを目指している少女として設定された。そのため当初粳麻唯はデザート中学の制服を着ていた(後に『P.S.すりーさん』のIKaの影響を受けてジャンスカにハマり、高校制服はジャンパースカートという設定だけが残った)。

私が代表を務めたBeeメイツ滝川支部内ワルモン博士後援会(D.W.B.C.)は『ザコビーパラダイス』(1993年12月5日初収録)という二次オリを展開していたが、それとは別に始めた二次オリということになる。D.W.B.C.現代表のアキヒロが先にAY officeという個人サークルでザコパラのスピンオフによる音楽活動を開始しており、私の個人サークルEDIA LABELはAY officeに対抗する形で立ち上がったことになる。

ウルチメディアは解散前のテレビ出演で知ったPSY・S松浦雅也とCHAKAによるユニット)の影響が強いものの、現実の私と架空の粳麻唯がクロスオーバーする展開になったのは、ウィンビー国民的アイドル化計画第1弾CD『ウィンビーのネオシネマ倶楽部~エバーグリーン編~』で古川もとあきとウィンビー(パステル)の合成写真が広告に使われたことが大きく影響している(今なら等身大POPを使うのだろう)。

1996年は『ときめきメモリアル』の藤崎詩織が歌手デビューした年であるが、私はウィンビー国民的アイドル化計画の実行委員だったので、藤崎詩織よりウィンビー(パステル)からの影響が強い。ツイパラの二次オリでバーチャルアイドルの粳麻唯が誕生したのは、当時としては自然の成り行きだったように思う。とはいえ既に声変わりしてしまった少年が歌うのだからかなり奇妙な活動であったことは言うまでもない。

『ウィンビーのネオシネマ倶楽部~エバーグリーン編~』広告(コナミレーベルインフォメーションより)

2期目「アルティメディア」

私がゲーム会社に入る夢を抱いたのは小学校高学年でハマった『グラディウスⅢ』の開発秘話(CDドラマ)の影響だが、ファミ通やTheスーパーファミコンを愛読していた頃は雑誌編集者を夢見ていた。ただ商業科から出版社を目指すのは難しいと言われ、夢はゲーム会社に戻った。シューティングゲームが作れるSFCデザエモン』で音楽ばかり作っていたことからゲーム音楽に的を絞り、バンタン電脳情報学院に進学した。

バンタンはゲームサウンド科だったが他科の見学は可能でありゲームプランナー科でモオソフトの青井大地講師からMSX沼に引きずり込まれた。ここで学んだキャラクターデザイン手法をウルチメディアに反映させ、遠藤早矢という追加キャラクターが生まれた。ウルチメディアが私と粳麻唯のユニットから粳麻唯と遠藤早矢のユニットに変化する過程で、読み方がアルティメディアに変わった。

ゲームプランナー科の人から恋愛ゲーム制作に誘われ、主題歌を制作する過程で「せん子の部屋」というネット声優募集サイトがあることを知り、アルティメディアの声優オーディションを行うことになった。当時はまだMP3をメールで送れるほど容量がなかったため、応募者にカセットテープやMDを送ってもらっての選考となった。また恋愛ゲームの縁で漫画家のさとみひでふみさんにイラストを描いてもらった。

EDIA LABEL『Debut ~ultimedia & autumn~』(2002年)

粳麻唯誕生から約5年で理想形に近づいたものの、当時の私はOMYの影響で始めたYoM(ヨーグルトムース)というYMOパロディーや、ステイリゼルという沙羅曼蛇2仮想続編サントラ、ツインビー2000というツイパラの仮想続編サントラなど、複数の企画を並行して進めており、アルティメディアだけに注力することができず、せっかくオーディションまでやったのにその後が続かなかった。

この頃、モーニング娘。(1997年~)やAKB48(2005年~)、アイドルマスター(2005年~)など、日本のアイドル像が大きく変化し、またアニメやゲームのキャラクターソングCDも飛ぶように売れていた。新生アルティメディアのデビューCDは(キャラソン1曲+インスト1曲+自己紹介)×4人分と内容に乏しく、デュオや全員歌唱もなかった。美少女ゲームは好きでも、現実のアイドルはまったく見えていなかった。

今回『まいまいのkaguyadepth探偵団』シーズン2のエンディングテーマにした「Waist Size Story」という歌は、アルティメディアのデビューCDを出した直後に作詞作曲したが宙に浮いてしまったものだ。他の声優さんに楽曲提供する話もあったが、誰も歌いこなすことができなかった。それをSynthesizer V AI Maiが、入力するだけでいとも簡単に歌ってしまうのを見ると、隔世の感がある。

その後EDIA LABELからASIA LUNARにかけてシリーズ化した『ふぉ~ぽりふぉにっくまじっく』(ゲーム音楽ゲームボーイ音源カヴァー集)の表紙に粳麻唯と似たキャラクターを描くなど面影は残しつつも、『footprints 萌尽狼オリジナル曲ベスト』(2015年)まで粳麻唯がメインで登場するCDは作らなかった。ちなみに『スカイガールズ』のアイーシャが粳麻唯と似ておりMMS素体がイラストに役立っている。

EDIA LABEL『ふぉ~ぽりふぉにっくまじっく ゲームボーイ音源アレンジ集』(2005年)

ASIA LUNAR『footprints 萌尽狼オリジナル曲ベスト』(2015年)

音声・歌声合成と私

高校生の頃リクルートのゲーム総合誌じゅげむ(寿現夢)の巻末コラムでPC-9801エロゲー『禁忌-TABOO-』を知り、上京まもなく秋葉原のマックスロードで中古で買って猿のようにハマったのだが、これは『MSフィールド機動戦士ガンダム』を出したファミリーソフトのアップルパイブランドのゲームであり、育成したキャラクター同士のCPU戦をただ眺めるだけのモードが付いているという共通点がある。

ビバリウムに1年ほどいた間にPS2シーマン2~北京原人育成キット~』の発話システムに関わっていた(そのためサウンドではなくシナリオでクレジットされている)。シーマンはいわばパソコン黎明期に流行ったコマンド入力式アドベンチャーゲームを音声入力に置き換えたものであるが、メッセージやゲーム中のパラメータ表示が一切なく音声のみで育成が進行する『禁忌-TABOO-』とはどこか似ていた。

2010年にVOICEROID+民安ともえ(弦巻マキ)が発売されたとき、Ustreamで『今宵も亜月ないと』というラジオ番組をやっていて、優先度を設定できるメディアプレーヤーのランダム再生で、弦巻マキになんとか相槌を打たせようとしたがうまくいかなかった。これはシーマンの影響だ。このときはまだ私がしゃべりたくてラジオを作っていた時期で、弦巻マキに全部しゃべらせようとは考えていなかった。

2007年にVOCALOID2初音ミクが発売されたが、私はその次の鏡音リン・レンを買い『加賀峰』という架空戦記サントラを作った。また、VOCALOID3マクネナナになる前のMac音ナナを使った人力VOCALOIDにハマっていた時期があり『播嶺(まくね)』という続編も出した。VOCALOID3結月ゆかりを使った『空中戦車道』もある。Mac音ナナほどお熱ではなかったがVOCALOIDもそれなりに使ってきた。


(VOICEROID+結月ゆかりを使った動画の一例。この頃はもう私がしゃべることは考えていない)

Windows10非対応のVOICEROID+の代わりに、DTMステーションで話題になっていて初回限定優待版やDLsiteのクーポンで安かったVOICEPEAKを買ったが、VOCALOIDやVOICEROIDのようにキャラクター設定がないことから粳麻唯の番組を作ってみようということになり『まいまいのkaguyadepth探偵団』シーズン1が昨春からスタートした。このときはまだ手探りで番組内容も実験的だった。

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偶然にも同じ名前のMaiがSynthesizer V Studio Proを買えば無料で使えるということで、シーズン2でSynthesizer V AI Maiを使うことは早い段階で決まっていた。「VOICEPEAK 商用可能 ナレーター女性4」は1月13日に発売されたばかりで、1月9日からシーズン2を作り始めてから採用した。「VOICEPEAK 商用可能 6ナレーターセット」の中では女性1が一番声が高かったが、女性4はさらに声が高く粳麻唯に合っている。

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『まいまいのkaguyadepth探偵団』シーズン2のいきさつ

kaguyadepth.jp

新作の仮想シューティングゲームサントラ『ウンディーネ3 幼い王子と予言の続き』を2022年12月3日の北海道COMITIA16で先行販売開始、12月23日のMSX沙羅曼蛇35周年※から一般販売開始した(※12月26日発売が正しい)。続編は当初『ウンディーネ4』を考えていて、企画書第1稿「失われた星の彼方へ」を10月18日から書き始め、11月9日から第2稿「一度きりのドリームチーム」に改題した。

その後、2023年3月25日に仙台で開催されるインディゲームマーケット3に申し込み、そこでばらかさんが『スチームパイレーツ』を展示されるというので、略して「スチパ◯」になるタイトルで、2022年11月29日から『スチロールパトロール』というツインビー風仮想シューティングゲームサントラ企画を考え始めたが、北海道COMITIA16不振で『ウンディーネ4』『スチロールパトロール』ともに迷走を始める。

12月24日のコナ研忘年会で部長から『ウンディーネ0』を提案される。「沙羅曼蛇のネメシス」を作ることにより「沙羅曼蛇2の続編なのにゲームボーイ音源」という聴き手が想像する映像と音楽の齟齬解消が狙いだが、二次創作を含む内容をウンディーネシリーズとして出すことに大いに悩み、2023年1月4日に断念。現状、インディゲームマーケット3合わせの新作は白紙となっている。

それから「今はサークルの方向性を確認するときだ」と思い直し、1月9日にkaguyadepthウェブサイトのaboutを更新するとともに『まいまいのkaguyadepth探偵団』シーズン2に着手。シーズン2のテーマを決め、主題歌を作詞作曲する過程で、粳麻唯のキャラクター設定をバージョンアップすることになり、粳麻唯は15歳から17歳になり、アルティメディアは遠藤早矢が受験で活動休止中ということになった。

主題歌は私が作詞なので、エンディングテーマは粳麻唯が作詞の新曲を考えていたが、ここで作業の手が止まってしまってはまずいと思ったため、「Waist Size Story」をSynthesizer V AI Maiで完成させた。粳麻唯の新曲は今後、ボーイフレンドの犬神数馬(同じ事務所のヴィジュアル系ロックバンド「餓獣魔」のボーカル)との関係性を考慮しつつ、「ルーズな彼」などの旧作リメイクを視野に入れて検討していく。

ちなみに、テーマトークBGMの「人工島」は『換装少女』(バンダイが2017年12月~2019年3月に発売したカプセルトイのメカ少女)をイメージした曲で、活動開始当初「kaguyadepth」をメカ少女ものとして構想していたときに参考で買ったらハマってしまって、個人の二次創作はライセンスフリーだったのでなんとか作品にしたいと考えていたときのもの。今確認したら公式サイトなくなってる…

『換装少女』『換装重機』と同じく倉持キョーリュー氏がデザインしバンダイの別部署から発売された『ねこぶそう』『軽トラぶそう』とはジョイントが3mm径で共通なので『30MM』『30MS』などと組み合わせて今でも遊べるはず…同時期に発売された『AQUA SHOOTERS!』が今でも商品展開されていることを考えるとメカ少女フィギュアが可動しなかったのは痛いな(換装重機だけCCが出たのも可動ニーズのせい)

asialunar.info
(kaguyadepthの換装少女ファンサイトはASIA LUNARに移した)

おわりに

1996年にVTuberがあったら私は粳麻唯にバ美肉してたってだけの話だと思う。20年前でもネット声優さんに依頼してなんとか形にできたけど、今はVRMもVOICEPEAKもSynthesizer Vもあって便利だ!

なお『まいまいのkaguyadepth探偵団』シーズン2主題歌、エンディングテーマ「Waist Size Story」、テーマトークBGM「人工島」のフルバージョンは番組ページで聴けるのでチェックよろしく!

kaguyadepth.jp

(一部敬称略)