『カプコンアーケードスタジアム』のリワインドとゲームスピードについて、前記事をアップしたあとに考えたことをまとめた。
レトロゲーマーとして言及すべきことは走査線や移植度だけじゃないだろう!?
前記事に書いたリワインドとゲームスピードのファーストインプレッションは次の通り。
これはテトリスにおけるホールドのような、最初はイカサマだと思っていたが、慣れると重要な攻略要素となるゲームシステムの変更なのではないだろうか?最速で遊ぶとさながらTGM(テトリス ザ・グランドマスター)だ。
https://moetsukiro.hatenablog.com/entry/2021/02/19/065644
ゲーム全体の進行速度が遅くなるわけではないが、たとえばケイブのシューティングゲームではレーザーを撃っている間は自機の移動速度が遅くなって敵弾を避けやすくなるので、遅くすること自体をイカサマとは思わない。
ただ、本来のゲーム性を著しく損なう行為であることは重々承知しているため、レトロゲーマーとしての良心との葛藤に苛まれているところである。カプコンさん、何てことしてくれたんだ!!
しかし私はすぐに考えを改めることとなる。
- ゲームの難易度を調整するだけではどうしても壁を超えられない人が出てしまう問題。
- マニアが納得する精緻な移植だけでは過去IPコンテンツビジネスが広がらない。
- より多くの人にレトロゲームを楽しんでもらうためにはどうしたらいいか?
に対するカプコンなりの打開策だと思ったのだ。
セガのアストロシティミニなどと同様にカプコンアーケードスタジアムはマニアを納得させる商品ではないのだと思う。
結局先に進めるようにしないとすぐに飽きられてしまうわけだし、腕を磨く以外の解決策を見出ださなければ市場が縮小してしまう。レトロゲームビジネスはいま大きな岐路にあると思う。
リワインドとゲームスピードを活用することで繰り返し遊んでもらいたい、自力で攻略パターンを見つけてもらいたい、という移植スタッフの思いが伝わってくる。
いわゆる死にゲーである魔界村に話題のターゲットをしぼって打ち出してきたんだからなおさらだ。
ゲームオーバーで最初からやり直すストレスから解放できれば、続けられる人も出てくるのではないだろうか?
- ゲーセンのゲームは難しい。
- ゲームは上手い人だけが楽しめるものだ。
- 好きだったけど下手だった。
- 何度やってもダメだった。
- 昔やったけどダメだったものには手が出ない。
- 親子で楽しみたい。
- 動体視力の衰えで昔のようにゲームができなくなった。
といった様々な声に応えて、初めての人は当然のこと、もう一度お客さんになる人にも楽しんでもらえる方法を模索して、まずは買ってもらって、さらに他人に勧めてもらえるようなつくりにしていかないといけないだろう。
最初からマニア向けを謳うのではなく、マニアには納得のいく設定にカスタマイズしてもらい、デフォルトではより多くの人にレトロゲームを体験してもらい楽しいものだと認識してもらいたい。
様々な選択肢を用意することはよいことだ。これはレトロゲームビジネスに対して一石を投じたのではないだろうか?
ゲーセンやレトロゲーム文化をマニア・懐古向けで終わらせないカプコンの姿勢について、考えるきっかけというバトンを受け取ったと感じます。
P.S. SFC・FC用ジョイスティックのCPSファイターにポーズボタン連打でスローをかける機能というのがあったはずで、それが使い物になったかはさておき、カプコンらしさは変わってないよなあと思うんですよ。
以下、カプコンアーケードスタジアム関連記事リンク。
リワインド機能がゆとりすぎて笑ってる #CapcomArcadeStadium #カプスタ #カプコンアーケード #レトロゲー #シューティング #格闘 #アクション #NintendoSwitch pic.twitter.com/KqKySl54fq
— SilverDog@柴 (@silverdog) 2021年2月18日
リワインドのわかりやすい使用例。
うおお、戦場の狼2が縦画面で遊べるーっ! 持ってて良かった、FlipGrip! ありがとう、カプコンアーケードスタジアム!!! pic.twitter.com/zd2c7Lmmxr
— 嶽花 征樹 (@takehana_masaki) 2021年2月18日
これいいなあ。
nlab.itmedia.co.jp
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しんざきさんの熱量が高い記事。開発の経緯が詳しくまとめられている。
30本まとめて買うと安いけど「Capcom Arcade Stadium Pack 3:アーケードはさらなるステージへ!」だけ買おうかどうかまだ迷ってる。