架空の漢字「石哥(チップチューン)」を考えてみた。石(いし)の哥(うた)をひもとくことで、ここ数日のチップチューン界の大きな出来事とつながってきた。
漢字構成
石(いし)+哥(うた)。
「うた」という漢字は多く、一般に「歌」「唄」「詩」などが用いられるが、偏旁のないうたは「哥」だけだったのでこれを用いた。
石(いし)
①モノリシック集積回路(IC)を指すゲーム業界のスラング。モノリシック(monolithic)は「ひとつの石」という意味。
②値打ちのないもの、役にたたないもののこと。[例]玉石混淆
kanji.jitenon.jp
哥(カ・うた)
①うた。うたう。=歌
②兄を呼ぶ語。また、年上の親しい男性を敬って呼ぶ語。
この場合の兄は田中宏和氏か田中“hally”治久氏を指すのだろう。
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砢(カ・ラ)
①玉に次いで美しい石。玉に似た美しい石。
②「磊砢(らいら)」は、石が多く積み重なったさま。
③壮大なさま。
kanji.jitenon.jp
石には楽器という意味もある
なお「石」には、古代中国の儒教音楽で使われる八種類の楽器「八音(はちおん)」における石で作った楽器という意味もある。
いしで作られた楽器。八音(「金」「石」「糸」「竹」「匏」「土」「革」「木」)の一つ。
https://kanji.jitenon.jp/kanji/046.html
八音(はちおん)とは、特に儒教音楽で使われる、八種類の楽器を表す語。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E9%9F%B3
古代中国では、楽器は金、石、糸、竹、匏、土、革、木(きん、せき、し、ちく、ほう、ど、かく、ぼく)の八種類の素材からつくられると考えられ、区分されていた。楽器の総称を表す「金石糸竹」という四字熟語はこれに由来する。
唐括石哥(とうかつせきか)
石哥を「せきか」と読んだ場合は中国の歴史上の人物名(女性)となる。ネット上に日本語のソースはほとんど見当たらない。
唐括 石哥(とうかつ せきか)は、金の廃帝海陵王の妃嬪。貴妃唐括定哥の妹。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%94%90%E6%8B%AC%E7%9F%B3%E5%93%A5
【唐括石哥】皇族の完顔文の妻で、夫婦仲は良かった。だが、皇帝・海陵王に目をつけられ、完顔文は妻を譲るように迫られた。処刑されることを逃れるため、完顔文は彼女を泣きながら抱きしめ謝り、彼女を皇帝に献上した。唐括石哥は姉とともに皇帝の慰み者となり、妊娠した。
— レイプの歴史bot (@raped_history) 2020年4月15日
石の歌をひもとく
「チップチューン」という外来語を表す新たな翻訳語を作るとするならば「石哥」の訓読みで「いしうた」ということになるだろう。
「チップチューナー」は「石哥師(いしうたし)」ということになる。
仏足石歌(ぶっそくせきか)
さて「石歌」について検索してみると「仏足石歌」というワードが数多くヒットする。
仏足石歌(ぶっそくせきか)は、仏足石(仏足跡)の歌とも呼び、薬師寺の仏足跡歌碑に刻まれた21首の歌、およびそれと同じ歌体を持つ和歌を言う。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%8F%E8%B6%B3%E7%9F%B3%E6%AD%8C
(中略)
仏足石歌と同じ五・七・五・七・七・七からなる和歌の形式は、仏足石歌体と呼ばれている。
歌碑ということは石は御神体であるから、さいず神主(@scythe1005)がチップチューンをやっていることとも無縁ではない気がする。
chiptography.net
要石の歌(かなめいしのうた)
さらに「いしのうた」について検索してみると“『言経卿記』に見る文禄五年伏見地震での震災対応-特に「和歌を押す」行為について-”という研究論文がヒットした。
但し三種類の和歌のうち,三番目の歌は「要石の歌」と呼ばれよく知られており,要石に関する研究自体も比較的多い状況にある."
http://www.histeq.jp/kaishi_21/P153-164.pdf
(中略)
鹿島神がいつ,どのようにして地震信仰を得たのかを考察している.
(中略)
この「呪い歌」が少なくとも文禄五年まで遡りうることを確認している.
どうやら神社にまつわる「石の歌」は地震につながる「呪い歌」ということになるらしい。
シンセサイザーのLFO(Low Frequency Oscillator)は低周波発振器のことであり、地震とも無関係ではない気がする。
このあたりを詳しく知る必要がありそう。
鯰絵(なまずえ)
鯰絵とはタケミカヅチが要石に日本に地震(特に安政の大地震)を引き起こす大鯰を封じ込める絵のこと。
ja.wikipedia.org
ja.wikipedia.org
1853年7月8日(嘉永6年6月3日)には黒船来航、同年8月22日(7月18日)にはディアナ号が来航し、江戸幕府は相次いで開港を迫られる時勢にあった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E6%94%BF%E3%81%AE%E5%A4%A7%E5%9C%B0%E9%9C%87
(中略)
「安政の大地震」はこのような幕末の多難な状況下で討幕運動に呼応するかの如く連発した大地震であった。
地震の発生直後から出版が始められた鯰絵は身を守る護符として、あるいは不安を取り除くためのまじないとして庶民の間に急速に広まり、流行が収束するまでのおよそ2ヶ月の間に多数の作品が作られた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AF%B0%E7%B5%B5
つまり鯰絵は今でいうアマビエブームみたいなもんだ。
チップチューン界の大きな災い
ここまでの憶説を整理すると、チップチューンのチップ(石)には大きな災い(地震)を引き起こす大鯰が封じ込められていて、タケミカヅチ(チップチューナー)がそれを制御しているということになる。
この大きな災いは、昨年末からの新型コロナウイルスの感染拡大(コロナ禍)やアメリカ黒人殺害事件(ジョージ・フロイドの死)への抗議デモなどといった世界情勢の不安と捉えることもできるが、ことチップチューン界ではCheapbeatsという世界最大級のチップチューン/ローファイ系レーベルの閉鎖がここ数日の大きな話題となっている。
6月4日、チップシーンの主要レーベルCheapbeatsの閉鎖が主催者Cheapshotより告知されました。これはチップシーンを写真に収めてきたEMiさんが、彼から受け続けたハラスメント行為に対して、声をあげたことに起因しますが(時系列からはそうとしか解釈できない)、ことはそう単純ではありません。
— aka_obi (@aka_obi) 2020年6月5日
Cheapbeats および Cheapshot氏に関する問題について、レーベル閉鎖発表までを事実ベースで時系列順に、リンク込みで纏めた日本語のシートを作成しました。主観や感想は可能な限り排除しています
— sdhizumi / S. Kudo (@sdhizumi) 2020年6月4日
上から順番に読み、必要に応じて原文を見て、そして自分で考えてみてください。https://t.co/8jpeBkcGGH
事の経緯については@sdhizumi氏が作成したGoogleドキュメントに詳しくまとめられている。
docs.google.com
日本神話をひもとくとか機動戦艦ナデシコ(というか麻宮騎亜版の遊撃宇宙戦艦ナデシコ)かよ!?