今回は令和のカシオトーンCT-S200/300の音色にスポットを当てて、さまざまな音色を使いこなすための参考資料を紹介します。
CT-S200/300の実際の音色数は?
CT-S200/300の音色はメーカー公称値で400種類あり、その内訳はステレオグランドピアノ1音色を含む266種類と、GMトーン128種類、ドラムセット6種類です(表1参照)。
表1:カテゴリ別音色数
番号 | カテゴリ | 音色数 |
---|---|---|
001~014 | ピアノ | 14 |
015~028 | エレクトリックピアノ | 14 |
029~042 | クロマチックパーカッション | 14 |
043~064 | オルガン | 22 |
065~078 | ギター | 14 |
079~088 | ベース | 10 |
089~100 | ストリングス/オーケストラ | 12 |
101~120 | アンサンブル | 20 |
121~140 | ブラス | 20 |
141~165 | リード/パイプ | 25 |
166~202 | シンセリード | 37 |
203~242 | シンセパッド | 40 |
243~253 | インド | 11 |
254~266 | エスニック | 13 |
267~394 | GMトーン | 128 |
395~400 | ドラムセット | 6 |
このようにCT-S200/300の音色リストはGMレベル1によく似ていますが、和楽器やパーカッション、効果音などGMトーンにしかない音色も24種類あります(表2参照)。
表2:GMトーンにしかない音色
番号 | 音色名 | カテゴリ |
---|---|---|
298 | GM GUITAR HARMONICS | ギター |
303 | GM SLAP BASS 1 | ベース |
314 | GM TIMPANI | ストリングス/オーケストラ |
336 | GM ENGLISH HORN | リード/パイプ |
344 | GM SHAKUHACHI(尺八) | リード/パイプ |
360 | GM METAL PAD | シンセパッド |
373 | GM SHAMISEN(三味線) | エスニック |
376 | GM BAGPIPE | エスニック |
377 | GM FIDDLE | エスニック |
379 | GM TINKLE BELL | パーカッション |
380 | GM AGOGO | パーカッション |
382 | GM WOOD BLOCK | パーカッション |
383 | GM TAIKO(太鼓) | パーカッション |
384 | GM MELODIC TOM | パーカッション |
385 | GM SYNTH-DRUM | パーカッション |
386 | GM REVERSE CYMBAL | パーカッション |
387 | GM GUITAR FRET NOISE | 効果音 |
388 | GM BREATH NOISE | 効果音 |
389 | GM SEASHORE | 効果音 |
390 | GM BIRD | 効果音 |
391 | GM TELEPHONE | 効果音 |
392 | GM HELICOPTER | 効果音 |
393 | GM APPLAUSE | 効果音 |
394 | GM GUNSHOT | 効果音 |
厳密にはGMトーンには音域タイプが異なるものもありますが、CT-S200/300の実際の音色数は「290音色+6ドラムセット」と考えて差し支えないでしょう。
GM音源128音色に詳しくなるには?
CT-S200/300を使いこなすにはGM楽器の知識があったほうがよいでしょう。
その名もズバリ『GM楽器図鑑』というものがあります。
1996年にサンワードが発売した、Windows95、Macintosh、ピピンアットマーク用CD-ROMです。
GM楽器図鑑DEMO
page.auctions.yahoo.co.jp
Windows10 64bitで動作確認したところ、一部読み込みに時間がかかるところがありますが、QuickTime不要で問題なく閲覧できました。これに似た内容のものがローランドのミュージ郎に『GS楽器図鑑』としてバンドルされていましたので、見たことがある古参DTMerも多いかもしれません。
また『GM音源パッチナビ』という本もあります。
GM音源パッチナビ―General midi program numb (DTMらくらくナビシリーズ)
- 作者: 足本憲治
- 出版社/メーカー: 龍吟社
- 発売日: 1998/12
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
こちらは既に手もとになくうろ覚えですが、楽器の特徴や打ち込みのアドバイスだけでなく、その楽器で有名なミュージシャンのエピソードなどをまじえた、読み物としても面白いものだったと記憶しています。
どちらも現在では入手困難なものですが、これらを参考にしたと思われるGM楽器の解説が、なんとネット小説投稿サイト「カクヨム」にまとめられています。
kakuyomu.jp
ぜひ参考にしてみてください。
オーケストラやアジアの楽器に詳しくなるには?
カクヨムの『GM規格128音色に対する楽器の解説書』は大変よくまとめられていますが、文章のみなので写真や動画があればよりわかりやすいでしょう。
オーケストラ楽器に関しては、ヤマハの「楽器解体全書」というサイトが詳しいです。
同社の楽器ユーザー向けにまとめられたもので、楽器のしくみや歴史からお手入れにいたるまで、目的別にページが分かれているので便利です。
www.yamaha.com
近年カシオが力を入れている中国やインドなどアジアの楽器については、東京芸術大学音楽学部の小泉文夫記念資料室サイト内にある「アジアの楽器図鑑」がわかりやすいです。
小学生向けのページで、一部Flashやリンク切れがあるものの、地域ごとにまとめられた楽器の種類が多く、演奏している写真も豊富です。
www.geidai.ac.jp
中国の楽器に関してはFLIPPER'Sという音楽情報サイトにも詳しい解説があります。
特にCT-S200/300にも入っている楊琴(ヤンチン)や、雅楽でも使われる笙(しょう)の日本と中国の違いがわかりやすかったです。
flip-4.com
CT-S200/300の音色名は中国語の読み方を英語表記してあるので一見わかりにくいのですが、日本と中国で同じ名前の楽器もあります。
ところが、日本と中国で同じ名前の楽器でも、音色や奏法に違いがあることについて、わかりやすくまとめられているサイトが意外と少なかったです。
CT-S200/300の和楽器は少ないですが、中国の楽器について理解を深めて、うまく活用していきたいですね。